お知らせ

「高齢者の生活習慣病に対する鍼灸治療」②

引き続き、兵庫県鍼灸マッサージ師会主催の「夏期大学講座」の参加報告です。

2つ目は

認知症です。

 

認知症は生活習慣病?

講義を受けた時、「??」と思いましたが、以下の解説を聞いて納得です。

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認知症と生活習慣病に関連性があるという報告が近年、行われている。

高血圧が血管性認知症の危険因子であることはすでに知られているが(脳卒中後など)、アルツハイマー型認知症にも生活習慣病が影響するものと考えられている。

「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」

が発症、進行にも関係している、と言われている。アルツハイマー型は脳に「タンパク質のゴミ」がたまって、脳全体が萎縮する。

認知症の定義

「脳や身体の記憶、判断力などの知能が後天的に低下するもの」

 

症状

中核症状とBPSD(行動・心理症状)がある。

 

中核症状:脳の神経細胞が壊れることで起こる症状。

記憶障害(近い記憶や体験から始まる)

見当識障害(時間や場所や人の認識)

失語(言葉が出ない、意味を忘れる)

失認(見えているもの、聞こえている音が何かわからない)、

失行(道具の使い方、服の着方)

実行(料理などの段取りを忘れる)

遂行機能障害(場に応じた対処。店が閉まっているのに外でずっと待っている)

 

BPSD:周囲の人との関わりの中で起きてくる症状。

攻撃、抑うつ、妄想、不眠、不穏、不安、徘徊、猜疑心、焦燥、誤認、弄便、失禁、暴力、興奮、、など。

以前は「周辺症状」と言われていました。介護する人も認知症本人もつらいのは中核症状よりもBPSDの方だと言われます。

 

中核症状の改善は難しいのですが、BPSDのコントロールはある程度可能です。

ここに鍼灸治療が関わっていける、ということが言えます。

また、近年は「軽度認知症(MCI)」が65歳以上の13%に見られると言われ、

そのうち、一年で10%が、5年以内に40%が認知症へ進行する、と言われています。

これらも、鍼灸を含めた適切なケアで進行を防ぐことが可能です。

鍼灸での認知症へのアプローチ

脳を「肝」「心」「腎」で捉える。

「肝は疎泄をつかさどり、筋をつかさどる」=情緒活動、自律神経機能、運動機能

「心は神をつかさどる」=脳の意識活動、思惟活動

「腎は髄を生じ、腎は髄の海である」=脳の発達、機能維持、成長と老化の過程

気虚、血虚、精気不足などからその人の症状を判断し、治療方針を立てる。

 

予防法

破壊された細胞が元に戻ることはありません。

やはり、予防が一番大事、ということで様々な予防法も紹介していただきました。

①食事:魚、野菜、果物を積極的にとる。

②運動:1日30分、定期的な運動。リズミカルな、少し汗ばむ程度のものが良い

③嗜好品:タバコはダメ。お酒はほどほどに。

④知的活動:新聞を読む、脳トレなど。

 

予防リハビリの一環として国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ」の紹介もありました。アタマとカラダを同時に使う体操です。

コグニサイズの動画リンク→https://yomidr.yomiuri.co.jp/column/cognicise/