坐骨神経痛の再発を防ぐには

先ほどの「温める」と似ているようですが、優先度では実は「冷やさない」を意識して頂きたいのです。

体が冷えにあたると、血管が「キュッ」と縮こまり、血行が悪くなり、痛みを引き起こします。

また、「温める」ということを意識し過ぎると、汗をかいたり暑くて薄着にしたりと、かえって体を冷やすことになりかねません。

まずは「悪化させることをしない」ことを大事にして下さい。

＜解決方法＞
冬は床、座面から冷えます。足首、足裏、お尻が冷えないようにしましょう。
夏〜秋はクーラーなどで上半身が冷えます。首、肘などが冷えないように。
サポーターや腹巻き、ストールなどを活用して守って下さい。

施術などで痛みが治まってくると、早くいつもの生活リズムに戻りたいと思います。
溜まっている用事をこなしたり、周囲に無理や心配をかけた申し訳なさから、今まで以上に頑張ったり。

しかし、これまでの動き方のクセなどがそもそもの痛みの原因です。体に無理の少ない動き方を定着させ、筋肉がいい状態を保つのは少し時間がかかります。

良い状態が定着するまでは、慎重に日常生活に慣らしていって下さい。

＜解決方法＞
急な動き、長時間の動き（歩く、立つ、座る等）は慎重に。
しゃがんだり捻ったりも、体全体で行なって下さい。
痛みを出さないように、ご自身の「限界」は越えないようにしましょう。

坐骨神経痛をきちんと克服して、良い状態を維持するには「運動療法」が欠かせません。

運動と言っても、たくさんスクワットすることでも、重いバーベルを持ち上げることでも、一日一万歩あるくことでもありません。
いわゆる「筋トレ」とは違い、あなたが使えていない筋肉を効率よく使えるようにするトレーニングです。

多くの場合、体の姿勢を維持する「インナーマッスル」を刺激するトレーニングになります。地味な動きですがとても大切です。痛みの様子を見ながら個別に行うためお伝えすることは難しいので、ここでは基本的なものをご紹介します。

＜解決方法＞
・ヨガや太極拳など、ゆったりした動きの運動：
自己流でなく、教室などで指導してもらうのがオススメです。正しいやり方がわかり、安全に行えて、環境が整うのでやる気や効果が違ってきます。
・１５分を目安に、ゆっくりスピードで散歩：
出かけたついでや買い物を持ってではなく、「歩くためだけ」の散歩をして下さい。
買い物や用事のついでだと、痛みがぶり返した時にそこでストップしたり、引き返しにくい（＝無理がかかりやすい）からです。